こんにちは!エコバッグハウスです。
みなさんの周りには、ポリエステルを使用した衣類やバッグなどさまざまな商品があると思います。
そういったポリエステル素材の取り扱いやお手入れはどうされていますでしょうか?
ポリエステルは比較的扱いやすい素材ですが、まちがった使い方や、お手入れ方法をしてしまうと商品の寿命を短くしてしまいます。
今回は、ポリエステルのお手入れ方法や、ポリエステルを含む混紡素材の特徴やお手入れ方法を考えていきたいと思います。
目次
ポリエステルとは?
ポリエステルとは、石油由来の化学繊維で軽くて耐久性が高く、型崩れしにくく、しわになりにくい素材です。
また、吸水性が低く乾きやすいので、洗濯もしやすい優秀な素材です。
しかし、再汚染が起きやすいことや、静電気がおこりやすい、毛玉ができやすいなど、注意すべきこともあります。
ポリエステルを洗うときの注意点
ポリエステル素材を洗うときは、温度の高いお湯は避け、30℃台のぬるま湯で中性洗剤を使用して洗濯するのがオススメです。
洗濯機を利用する場合は、型崩れや摩耗による毛玉を防止するため、一度に大量に洗わず洗濯ネットを利用します。
洗濯コースは『手洗いコース』や『ドライコース』などのやさしい洗い方を利用しましょう。
また、長時間の脱水は、しわや毛玉が出やすくなりますので、脱水時間は短めに設定し、乾燥機は縮みの原因となりますので使用せず、日蔭干しするのが良いでしょう。
ポリエステルは、しわになりにくい素材なのでアイロンの必要がないことも多いですが、アイロンをかける場合は洗濯表示に従い、あて布を使い低温ですばやくかけるようにしましょう。
そして、ポリエステルを洗濯するときに注意しなければいけないのが、ワイシャツなど白い衣類への再汚染です。
水量や洗剤の量が少なすぎたり、他の汚れのひどい洗濯物といっしょに洗ったりしてしまうと黒ずみが発生することがあります。
これを『再汚染』といい、一度洗い流された汚れが、洗濯機の中で再度付着してしまうことです。
黒ずみが発生した場合は、漂白剤を使用すれば落とせますが、『再汚染』を防ぐためにも、十分な水量と洗剤量で、短時間で仕上げるように心がけましょう。
ポリエステルを含む混紡素材の特徴
それでは、ポリエステルを含む混紡素材の特徴を見てみたいと思います。
混紡とは?
まず、混紡とは、2種類以上の繊維を組み合わせて紡績することです。
よく、洋服などについている品質表示をご覧いただくと、【綿 100%】や【綿60% ポリエステル40%】などの表示がされています。
この【綿60% ポリエステル40%】が、混紡された素材ということになります。
最近では、ほとんどが混紡された素材を使用していますので、目にする機会多いと思います。
では、なぜ混紡するのでしょうか?
いくつかの理由がありますが、次の2点が混紡する大きな理由と考えられます。
それぞれの繊維の短所を補うため
綿100%のワイシャツは、着心地はいいのですが、洗うとしわになり、アイロンがけも大変です。
逆にポリエステル100%のワイシャツは、しわになりにくく、ノーアイロンでの大丈夫なほどですが、着心地はかためで、肌の弱い方などは、首や手首周りが擦れて赤くなったりもします。
そこでそのふたつの素材を混ぜることによって、着心地のより、しわができにくいワイシャツを作れるというわけです。
コスト削減のため
カシミヤ100%で作られたマフラーは肌触りもよく人気のある商品ですが、価格は高くなかなか手が出せない方も多いかもしれません。
そこで、他のウール素材と混ぜることによって、コストは抑えられ、カシミヤが入っていることで上品な肌触りや風合いを出せるというわけです。
コットンとポリエステルの混紡
天然素材の代表でもあるコットン。
コットンは綿(わた)の種から採取される繊維です。
コットンの性質としては、丈夫で吸水性が高く、耐熱性に優れています。
また、染色しやすいというメリットもあります。
しかし、しわになりやすかったり、縮みやすかったりします。
また、一度水分を含んでしまうとなかなか乾きにくいという点や、長時間直射日光に当てると少し黄ばんでしまったり、色落ちしやすかったりということがあります。
逆の性質を持つポリエステルと混紡することによって、お互いの長所を取り入れた、しわになりにくく、吸水性のよい素材になります。
また、コットンとポリエステルの割合を変えることのよって、それぞれの性質を出すことが可能です。
ウールとポリエステルの混紡
羊の毛から取れる天然素材がウールです。
繊維の細さや、羊の種類などによって、さまざまなランクがありますが、全体的に保温性に優れており、弾力性もありますので型崩れしにくい素材です。
また、吸湿性と放湿性のどちらも高いのでむれにくく、夏場は涼しく、冬場は暖かい素材でもあります。
さらに、熱にも強く、燃えにくいといったメリットもあります。
長期間の利用や、洗濯を失敗してしまうと、縮んでしまいフェルト状になってしまうこともあります。
その他、毛玉ができやすかったり、虫食いの被害にあいやすかったりすることがデメリットです。
ウールとポリエステルは混紡することによって、しわになりにくく、丈夫な素材になります。
また、ウールとポリエステル混紡はその特性上、ビジネススーツなどでもよく使用されているようです。
ナイロンとポリエステルの混紡
化学繊維の中で最も古い歴史を持つのがナイロンです。
ナイロンは、強い強度を持ち、磨耗にも強い素材です。
かなり丈夫な素材になりますので、衣類のほか、安全ネットや釣り糸、漁業用の網などにも多く使われています。
ナイロンとポリエステルは、どちらとも石油由来の化学繊維で、素材の性質もよく似ています。
丈夫で軽く、水にも強く吸水性はありません。
静電気や、毛玉の発生はおなじくらいとなっています。
また、伸縮性はナイロンのほうがあり、耐熱性はポリエステルのほうが優れており、直射日光に対してもポリエステルのほうが強くなっています。
このよく似た性質のナイロンとポリエステルを混紡することで、へたりにくく、丈夫な素材となります。
レーヨンとポリエステルの混紡
レーヨンは再生繊維に分類される化学繊維となります。
高級素材のシルク(絹)に似せて、木材パルプから人工的に作り出された繊維です。
土に埋めると分解され、自然に還りますので『再生繊維』と呼ばれています。
レーヨンは静電気もおこりにくく、熱に強い性質があり、化学繊維の中で最も吸湿性と放湿性が高い素材です。
しかし、吸水性が高いため、しわになりやすく、縮みやすい性質もあります。
また、水にはかなり弱く、濡れた状態では強度が大幅に低下します。
耐久性をあげる目的で、レーヨンとポリエステルと混紡することが多いです。
ポリウレタンとポリエステルの混紡
ポリウレタンは伸縮する特性を持った化学繊維です。
衣類に単独で使用されることはあまりなく、綿や、ポリエステルなどと混紡してストレッチ素材として使用されることが多いのが特徴です。
代表的な商品に水着などのスポーツウェアがあり、最近ではストレッチデニムや、アウトドアウェアなどでよくポリウレタンの表示を見かけます。
強力なストレッチ性が特徴ですが、長期間の利用で劣化しやすいという弱点があります。
混紡素材を洗う際は洗濯表示に注目
混紡素材に限ったことではありませんが、洗濯する際には必ず洗濯表示を確認し、その素材に合った洗い方を心がけ、衣類などを長持ちさせましょう。
また、平成28年12月より衣類などの繊維製品の洗濯表示に関して、家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規定が改正され、絵表示などの表示方法が変更になっていますのでご注意ください。
下図にて分かりやすく解説されていますので参考にしてください。
(図:消費者庁ウェブサイトより)
さらに詳しい情報は、下記バナーより消費者庁ウェブサイト「新しい洗濯表示」ページをご覧ください。
縮みやすいポリエステル混紡の洗い方
衣類が縮む原因は、繊維の表面にある凹凸が絡み合うためで、ポリエステル素材は繊維の表面が滑らかなため縮みにくい素材です。
しかし、綿やウールなどの他の繊維と混紡されて使用されることが多く、その素材が縮む特性を持っていることで縮んでしまいます。
コットンとポリエステルの混紡
コットンとポリエステルの混紡生地は、ご家庭でも洗濯しやすい素材です。
あまり気にすることなく洗濯機での洗濯が可能です。
しかし、商品によっては手洗いのものや、水洗い禁止のものもありますので、そのときは洗濯表示の内容に従ってください。
心配な時は、洗濯ネットを使用し、温度の高いお湯は避け、30℃台のぬるま湯で洗濯するのがオススメです。
濃色の商品の場合は、色落ちのチェックも忘れずにしましょう。
また、ポリエステルの割合が多い場合には、脱水時間は短めで、乾燥機は使用せず日蔭干しするのが良いでしょう。
アイロンをかける場合は、低温~中温ですばやくかけるようにしましょう。
ウールとポリエステルの混紡
ウールは水で縮んでしまう特性がありますのでご家庭での洗濯には向きません。
洗濯表示もドライマークのものが多くなっています。
ポリエステルとの混紡生地であれば、いくらかは洗濯しやすくなりますが、手洗いでのつけおき洗いが無難です。
また、洗濯機を使用する場合は、必ず洗濯ネットに入れてウール用やドライマーク用の洗剤を使用し、洗濯コースは『手洗いコース』や『ドライコース』などのやさしい洗い方を利用しましょう。
脱水時間は短めで、乾燥機は使用せず日蔭干しするのが良いでしょう。
アイロンをかける場合は低温~中温のスチームアイロンでしわを伸ばす程度にすばやくかけるようにしましょう。
ナイロンとポリエステルの混紡
ナイロンとの混紡生地の洗濯は基本的にポリエステル生地と同じ方法でおこないます。
温度の高いお湯は避け、30℃台のぬるま湯で中性洗剤を使用して洗濯します。
洗濯機を利用する場合は、型崩れや摩耗による毛玉を防止するため、一度に大量に洗わず洗濯ネットを利用し、洗濯コースは『手洗いコース』や『ドライコース』などのやさしい洗い方を利用しましょう。
長時間の脱水は、しわや毛玉が出やすくなりますので、脱水時間は短めに設定し、乾燥機は縮みの原因となりますので使用せず、日蔭干しするのが良いでしょう。
アイロンをかける場合は、あて布をして低温ですばやくかけるようにしましょう。
また、ナイロン素材は撥水加工が施されているものも多くありますので、必ず洗濯表示を確認してください。
洗濯可能な商品であっても、撥水加工の施されたものを洗濯機で洗うと撥水効果が落ちてしまうことがありますので、手洗いするのが無難です。
レーヨンとポリエステルの混紡
レーヨンは水にはかなり弱く、ご家庭での洗濯は難しい素材です。
ポリエステルとの混紡素材でもレーヨンの割合が高ければはクリーニングに出すほうが無難といえます。
ご家庭で洗濯する場合は、手洗いで、水につける時間をできるだけ減らしてすばやく洗濯することを心がけしましょう。
また、脱水時間は短くし、乾燥機は使用せず日蔭干し(可能であれば平干し)するのが良いでしょう。
アイロンをかける場合は、スチームは使用せず、あて布をして低温ですばやくかけるようにしましょう。
ポリウレタンとポリエステルの混紡
ポリウレタンも水には弱い素材ですので混紡割合の高いものはクリーニングに出すのがオススメです。
ご家庭で洗濯する場合は、手洗いで、水につける時間をできるだけ減らしてすばやく押し洗いすることを心がけしましょう。
もみ洗いなど、強く洗うと素材の劣化を早めてしまいますので注意が必要です。
また、高温にも弱いので乾燥機やアイロンは使用せず日蔭干しで自然乾燥させるのが良いでしょう。
ポリエステルにアイロンをかける際の注意点
ポリエステル素材にアイロンをかけるときに一番注意が必要なのがアイロンの“温度”です。
また、基本的にスチームは使用しないドライアイロン向きの素材となります。
ポリエステル素材の洗濯表示を見てみると、アイロンマークに『・』もしくは『低』や『・・』もしくは『中』と表示されています。
これは、アイロンの温度が『低温』や『中温』という意味で、『低温』の場合は、80~110℃、『中温』の場合は120~150℃とされています。
ちなみに『・・・』もしくは『高』の場合は『高温』で160~200℃です。
また、『中温』の表示であっても、大切な衣類などの場合は、『低温』から試してみることをオススメします。
『低温』でも、ゆっくりアイロンをかけることで、しわもある程度とることができます。
ポリエステル素材へアイロンをかけたときの失敗原因のほとんどがこの“温度”です。
よくある失敗としては、「溶けてしまった」、「縮んでしまった」、「跡が残ってしまった」、「テカリが出てしまった」だと思います。
溶けてしまった
ポリエステルは高温には弱い特徴がありますので、『高温』でアイロンをかけてしまったり、アイロンをあてている時間が長かったりすると生地が溶けてしまいます。
必ず洗濯表示に記載されている“温度”を守ってすばやくアイロンをかけてください。
縮んでしまった
アイロンをかけていて縮んでしまったというのは、『高温』でアイロンをかけてしまったり、アイロンをあてている時間が長かったり場合、溶けかけてしまったことが原因で“縮んだ”というより“引きつってしまったと”いう感じになります。
また、全体的に縮んでしまった場合は、アイロンをかけたことが原因ではなく、洗濯後に乾燥機にかけてしまったことが原因と思われます。
ポリエステル素材は、中低温の熱には耐えられますが、乾燥機などの高温の熱には耐えることができません。
そもそも、ポリエステル素材は速乾性が高く、自然乾燥で十分に乾かすことができますので乾燥機は使用しないことが原則です。
跡が残ってしまった
この跡が残ってしまったというのも、『高温』でアイロンをかけてしまったり、アイロンをあてている時間が長かったりしたことが原因で、ポリエステルの繊維が溶けてしまった状態です。
やはり、洗濯表示に記載されている“温度”を守ってすばやくアイロンをかけてください。
テカリが出てしまった
ポリエステル素材の学生服やスーツにアイロンをかけたらテカリが出てしまうことがよくあります。
原因は、アイロンをかけることによって生地に圧力がかかり、ポリエステルの繊維をつぶしてしまい表面がツルツルになってしまうことにあります。
正確には、着用によって生地の繊維がつぶれて表面がツルツルになってしまうことを『テカリ』といい、アイロンによって生地の繊維がつぶれて表面がツルツルになってしまうことは『アタリ』といいます。
この『アタリ』は、アイロンの温度が『低温』であっても強く押し付けることによって起こりますが、アイロンの温度が高いほど起こりやすくなります。
洗濯表示に『アイロンはあて布を使用してください。』と付記用語が記載されていたり、アイロンマークの下に「~」が表示されていたりする場合には、あて布を使う必要があり、あて布を使うことによって、『アタリ』を防いだり、仕上がりを柔らかくしたりします。
あて布は、市販のものもありますが、ご自宅にある大判のハンカチや日本手ぬぐいなど、綿100%の白くて薄い生地のものであれば代用できます。
ポリエステル素材のバッグの洗い方
ブログの冒頭でもお伝えしましたが、ポリエステルは、軽くて耐久性が高く、型崩れしにくく、しわになりにくい素材です。
吸水性も低く乾きやすいので、バッグにも最適な素材といえます。
しかし、長期間使用しているうちに汚れが目立ってきていないでしょうか。
ここではポリエステル素材を使用したバッグの洗い方をご紹介させていただきます。
ポリエステル素材のバッグは優しく手洗いするのが基本です。
必要なものは、以下の4つです。
1)バッグが十分に入る大きさの洗面器やバケツ
2)洗濯用の液体中性洗剤
3)使い古したハブラシ
4)ぬるま湯
まず、洗面器にぬるま湯と洗剤を入れて溶かします。
そのとき洗剤は通常の洗濯よりも少なめで大丈夫です。
そこにバッグを入れて優しく、丹念にもみ洗いをします。
汚れのひどい箇所は歯ブラシに洗剤を少し付けて部分的に直接こすります。
あまり強くこすると表面が毛羽立ったり、表面にプリントなどの加工がしてあるものは加工が傷んだりする可能性がありますので注意してください。
汚れが落とせればバケツのぬるま湯を入れ替えて、すすぎ洗いをします。
すすぎ残しがあると、残った洗剤がシミや傷みの原因になりますので、すすぎ残しのないよう十分に洗います。
最後に乾燥ですが、乾燥機はポリエステル素材の寿命を縮めてしまうので使用せず、直射日光を避け、日蔭干しでしっかりと乾かしてください。
大型のバッグなどは、シンクやお風呂場で洗えば広くて作業もしやすいのでオススメです。
ポリエステル素材のオススメエコバッグ
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まとめ
いかがでしたでしょう。
ポリエステルの洗濯方法や、混紡素材の特徴と洗い方はご理解いただけたでしょうか?
いずれの素材も、洗濯表示を必ず確認し、絵表示や付記用語の記載事項を守って選択するのが商品を長持ちさせる秘訣です。
また、大切な商品は信頼できるクリーニング店に依頼するのが賢い選択かもしれません。
このブログを参考にしていただき、少しでもお役に立てれば幸です。